9月議会で、伊勢原駅北口周辺地区整備事業を推進するため、現在の再開発組合に貸し付けている、約6.6億円の市債権を放棄するための議案が提案されました。
これについて、日本共産党伊勢原市会議員団の見解について掲載します。
市民の声を聞かず進められてきた再開発事業
伊勢原駅北口周辺整備事業は、1990年に都市計画決定がされてから30年が経過。
2000年に「再開発組合」の活動が休止し、再開発事業も中止。駅北口開発は一向に進まず、組合には約6.6億円の借金だけが残りました。
産業建設常任委員会に、市から組合に貸し付けた、この約6.6億円の市債権を放棄し、新たに再開発事業を進めたいとの説明がありました。
多額の税金が投入されてきたにもかかわらず、市民の皆さんには知らされていません。
そもそもの伊勢原駅北口周辺地区整備事業の経過や問題点、課題等についてどこまで議論されたのか。市民への説明責任があります。
皆さんからのご意見・ご感想もぜひ寄せください。
事業失敗の反省なく新たな再開発事業を進めてよいのか
市債権の中身も不透明で、事業失敗の反省もなく、このまま進めてよいのでしょうか。
約6.6億円の市債権について、市は「バブル崩壊」「キーテナントの撤退」が原因だとしています。
しかし、実現性の低い事業を描き、その見直し、施設計画の修正等に、多額のコンサルタント料や設計・計画策定費用を支出し続けた結果、多額の借金だけが組合に残ったのではないでしょうか。
伊勢原市にこのことについての反省がありません。
誰のための伊勢原駅北口整備事業なのか
伊勢原市は市債権に対して
■既存の再開発組合が無資力であること。
■事業の公共性が高く、市も主体的に取り組んできたこと。
などを挙げ、北口開発を進めるためには市債権を放棄する必要があると述べています。
しかし、公共性の高い事業なのであれば、市民の声が反映された、10年、20年、30年見据えた再開発事業とならなければいけません。
事業者の意向をくんだ結果、伊勢原市は債権放棄を決定したということではないでしょうか。
多くの市民には駅北口整備についての意見は聞いておらず、事業者に言われたから実施するというのでは、市の主体性もなく、一体何のための、誰のための事業なのか甚だ疑問が残ります。
市民の声が反映される伊勢原駅北口周辺整備を
事業者の儲けの場を提供するだけの事業にならないか。
事業の成立性、今後の社会情勢や地域への影響、観光交流施設のテナントの見通し、北口周辺だけでなく、南口、商店街、観光地を含めた、他市とは違う、市の独自性、総合的な計画をどう考えているのか。
多額の税金が使われる事業実施にあたっては、こうした、さまざまな疑問について市民への説明が必要ではないでしょうか。
バラ色に描く駅周辺への波及効果は本当か?
再開発事業によって、駅周辺への波及効果として「周辺民地の高度利用促進(民間開発促進)」「周辺地価上昇」「駅前イメージUP」「商業施設増、観光客増」などをあげていますが、市民の声が反映され、駅北口周辺以外を含めた、全体計画がない中で、本当にこれだけの波及効果が期待できるのでしょうか。
市民の声を聞き合意形成を図り進めなければ、市の玄関口として、市民が真に誇れる伊勢原とならないのではないでしょうか。
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