8月議会の陳情結果と日本共産党伊勢原市会議員団の見解について報告します。
以下、最終日の賛成討論の内容です。
現在、伊勢原市は、人口減少や少子高齢化、厳しい財政状況等を理由として、公共施設の見直しに向けた取り組みを進めようとしています。その中で、とりわけ児童館等の廃止、自治会への無償譲渡について、当初の計画や市民への説明が二転三転している状況が続いています。
今議会でも、新築、改築、補修にあたって、建築基準法上、可能かどうかの追加調査も必要になり、補正予算も組まれました。
伊勢原市の児童館は他の自治体からみても、ガイドラインに照らしても、適切に運用しているとはいいがたい状況があります。現状の役割や機能実態から、児童館としての役割が薄れているため、児童館を地域集会所にという意見もありますが、そもそも、法令を遵守するべき市が、児童館をガイドラインに照らして、適切に運用していないことが大きな問題であり、市がやるべきは、ガイドラインに沿った運用をし、正常な方向に正していくことではないかと考えます。
「伊勢原市公共施設等総合管理計画」や「伊勢原市公共施設再配置プラン」の中で、児童館については、「他の公共施設への機能移転についても検討し、児童館の機能を移転した後の建物は、『地域コミュニティの場』として、集会施設に転用します。」と記載されています。
しかし、まともに子どもの居場所についての議論をせず、役割も機能も違う児童コミュニティクラブや放課後子ども教室や、整備も体制も整っていない公民館などを機能移転先の候補に挙げ、果ては自治会に役割・責任を押し付けるなど、行政のやることとは思えません。
さらに、「旧耐震基準で建設した建物で老朽化が進んでいる施設については、原則として廃止(除却)します。なお、地域が施設の状況を理解した上で譲受けの意向がある場合は、無償譲渡について地元自治会と協議します。」とも記載されています。これも、すでに旧耐震基準の建物は市が責任をもって耐震化した後でないと、自治会への譲渡はできなということも判明しました。
市が耐震化をしなければいけないのであれば、財政面から見ても、国の「次世代育成支援対策施設整備交付金」を活用し、耐震化のみならず、児童館機能の充実・強化を行い、財政負担の軽減と機能強化の両立を図ることも可能です。児童館を適切に運用していれば、伊勢原市でも使える交付金であることは、こども家庭庁にも確認済みです。
また、最近になり、「こどもの居場所づくり」の取り組み案が出されました。そこには、児童館を地域集会所に移行後、工事完了後、事業開始日から3年間は市から見守り職員を配置。4年目以降は継続実施について判断していくというものです。
児童館運営で最も費用が掛かるのは人件費であり、結果3年間は市から職員を派遣するというのであれば、財政的にはほとんど変わりません。それどころか耐震化のために市の財政負担が大きくなるだけです。財政にも寄与せず、市民にも喜ばれないものを進める必要があるのでしょうか。
それならば、国の交付金も活用し、今まで通り、児童館として残し、機能も充実させ、継続する方が、財政的にも、そして何よりも市民や、子どもたちに喜ばれるものになるのではないでしょうか。
以上の点からも、当初計画から変わり、市民に混乱を招いている、今の児童館廃止ありきの計画は一度中止にし、まずは、市全体の子ども政策、こどもの居場所の計画を策定し、見直すことが必要と考えます。
よって、本陳情に賛成の意見を述べ討論を終わります。
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