Q 授業のつめこみがひどく、子どもは苦しんでいます。先がなかなか見えない受験への不安や、コロナそのものへの心配も募るばかり。心のケアが大切だと思うのですが。
A 子どもたちは、かつてないような不安やストレスをためこんでいます。各種のアンケート調査には「集中できない」「夜眠れなくなった」「一人ぼっちだと感じる」などの声が寄せられています。「コロナで親が死んじゃったらどうしよう」と教員に手紙を書いてきた子どももいました。
心のケアの必要性については文部科学省自身も認めています。しかし、すべての子どもの気持ちをゆったりと受け止め、勉強のつめこみでストレスを与えない、ということこそが今大切です。
夏休みが短縮され、学校行事が軒並み中止になるなどの中で、「こんな学校に行きたくない」と悲鳴もすでにあがっています。政府さえ「授業の遅れは2、3年かけてとりもどす」とのべ、文科省の授業再開の例示は7時間授業などを9月からとしています。現在のつめこみ授業は明らかにやりすぎで、是正される必要があります。
学校現場には、子どもに寄り添おうと心を砕く教職員たちがいます。心が軽やかになるよう絵本の読み聞かせから始めたり、コロナの不安に応える学びを進めたり、3密を防ぐ工夫をこらして体育や音楽の授業をしたり。こうした現場の努力の後押しこそ、教育行政に求められています。
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