3月議会で出された陳情です。
日本共産党と神奈川ネットが賛成しましたが、 創政会、公明党、いせはら未来会議、光風会の反対により不採択となりました。
以下、最終日に私が行った賛成討論です。
これを不採択にする理由はないと思いますが、皆さんいかがでしょうか。
本陳情は国に対し、後期高齢者医療保険の窓口負担2割化の中止、撤回を求める意見書の提出を求めるものです。
2割負担の対象は、単身世帯で年収200万円以上、夫婦とも75歳以上の世帯で年収320万円以上、約370万人が該当します。
政府は、社会保障費の削減を進めていますが、そもそも、30年間も平均賃金が上がらない国にしてきた経済政策の失敗を棚に上げ、国民に自己責任を押し付け、世代間の分断を持ち込むような、政策の進め方にも大きな問題があると考えます。
高齢者は病気になりやすく、けがもしがちです。慢性疾患を複数抱える人も少なくありません。検討会議で出された日本医師会の資料の中でも、一人当たりの医療費は年齢とともに上昇し、後期高齢者の窓口1割負担の現状でもかなりの負担であることが示されています。
また、高齢者の受診控えの点でも深刻な問題です。現行の1割負担でも医療費の窓口負担が心配で、受診控えが起こり、その結果、重篤な病気や手遅れになってしまう例が後を絶たず、社会問題となっており、そのうえ、新型コロナウイルス感染症による受診控えが重なり、二重の意味で受診控えが起こっており、社会全体でいかに高齢者の命と健康を守っていくのかということに取り組んでいるさなかに、受診控えに追い打ちをかけるような政策を決めるべきではありません。
また、2割負担の最大の口実に「若い世代の保険料上昇を少しでも減らす」ことを挙げていますが、これは議論のすり替えであり、政府の責任放棄です。
高齢者の医療費に占める国庫負担分は、老人保健制度が始まった1983年の45%から35%に減少しました。公費負担を減らすため、75歳以上を無理やり一つの独立した制度に押し込み、高齢者の医療費を若い世代に肩代わりさせる、後期高齢者医療制度の仕組みをつくったのは政府です。
若い世代の負担軽減というなら、少なくとも国庫負担を45%に戻し、国としての公的役割を果たすべきです。
高齢者への給付が多すぎるかのように描く政府・財界の主張も誤りです。日本の高齢化率は世界トップなのに、国内総生産(GDP)比でみた社会支出は、高齢化率が日本より低い欧州諸国より下です。高齢者に必要な給付が行き届いていないことこそ問題です。高齢者だけの問題ではなく、現役世代の親の介護にかける時間や経済負担を軽減させるうえでも、社会保障の充実は必須です。世代間の分断を持ち込むのではなく、高齢者を含めた全ての世代の社会保障を拡充させることこそが必要です。
以上から、本陳情に賛成の意見を述べ討論を終わります。
以上が討論の内容です。
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